第23回研究報告会ご案内

2025年3月17日

第23回研究報告会ご案内

金融プラス・フォーラム事務局

金融プラス・フォーラム「第23回研究報告会ご案内」を送付させていただきました。今回は一橋大学ソーシャル・データサイエンス研究科の檜山敦教授(一橋大学ソーシャル・データサイエンス研究科教授、東京大学先端科学技術研究センター特任教授兼務)をお招きし、「AgeTechと高齢者の社会参加から多世代共創の地域づくりへ」と題して報告していただきます。

日本の現状は、少子高齢化(超高齢社会)とデジタル革命が同時進行するなかでこれまでの労働や家族のあり方が変わらざるを得ないところにあります。超高齢社会に関しては政府の「高齢社会対策大綱」(令和6年9月閣議決定)でその指針が示されていますが、地方創生や少子化対策に比べると注目度は高いとは言えません。しかし、日本の高齢化率は30%近くに達しており(WHOの定義では「超高齢社会」は65才以上の割合21%以上)、団塊ジュニアが高齢者入りする2040年代には36%超が予想されています。他方では、日本の高齢者の身体機能の向上には目を見張るものがあり、健康寿命の延伸となって顕れています。檜山教授は予測人口の逆ピラミッド(下図)に着目し、極めて斬新な仕組み作りに取り組んでいます。それがデジタル技術を駆使した「モザイク型就労」で、「GBER(ジーバー)」というシニアと仕事をマッチングするウエッブ(プラットホーム)を通じてシニアが柔軟に働ける働き方を提案しています。

すでに、拠点の柏市だけでなく、熊本県、福井県、世田谷区、鎌倉市、和光市など自治体と連携する形で社会実装が始まっています。GBER(ジーバー)は就労だけではなく、社会参加にも重きを置いているのが特徴です。したがって、健康寿命の延伸にとどまらず、貢献寿命(Engaged Life Expectancy)の延伸を目指しています。今回の研究報告では、具体例を交えてお話いただきますが、下記の著書等を事前に読んでいただければ理解が深まるものと思われます。『超高齢社会2.0 クラウド時代の働き方革命』(平凡社新書、2017年)、「高齢者の社会参加から多世代共創の地域づくりへ」(一橋ビジネスレビュー 2024 WIN.)、「逆さ人口ピラミッドから考える、シニアの役割、介護の仕事」(2022.2.16)等。

檜山教授から送られてきた報告概要は以下の通りです。なお、今回もリアルとオンライン(zoom)の同時開催となります。是非ご参加ください。

(注1) GBERはGathering Brisk Elderly in the Regionの略

(注2) 貢献寿命(Engaged Life Expectancy)とは秋山弘子東大名誉教授が提唱した概念で、①他者や社会に関わる「意欲」を持っていること、②客観的に見て他者や社会との間で「役割・つながり」を持てていること、③その役割・つながりを通じて自分の存在や行動に対して他者から「フィードバック」を得ていることの、3つの要素を抽出している。

<報告概要>

今から10年後の2035年くらいから、我が国では毎年政令指定都市が一つ消えていく規模での人口減少が始まることが予測されています。その上、急激な人口減少の中でも更なる高齢化が進むことも明らかになっています。日本社会を支える力が弱くなっていく中で、私たちは様々な領域での社会課題に対応していかなければならない状況にあります。しかしながら、日本の高齢者は身体機能が向上し続けていることを踏まえて、日本老年医学会は高齢者と呼び始める年齢を、従来の65歳から75歳に引き上げることを医学的観点から提言されています。様々な疫学研究の結果からは、高齢期における心身の健康は、社会的な繋がりの有無によって大きく左右されることが知られています。また、高齢者層は地域貢献への関心も高く、高齢者をはじめ多世代の住民、地域の企業団体、自治体が課題を共有して取り組んでいくことで、地域を支える力を強化していける可能性があります。そのヒントとなる装置としてのコレクティブ・インパクト、リビングラボ、そして情報通信技術(ICT)を活用したAgeTechの実践について報告します。

1 テーマ:「AgeTechと高齢者の社会参加から多世代共創の地域づくりへ」

2 講師:檜山敦(一橋大学ソーシャル・データサイエンス研究科教授、東京大学先端科学技術研究センター特任教授兼務)

3 2006年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。博士(工学)。専門は人間拡張工学、複合現実感。「ひとりの一生、100年」と捉え、身体スキルをデータ化し、追体験可能にする技能伝承システムや、自律流動型社会参加システム「GBER」など超高齢社会をICTで拡張するジェロンテクノロジー研究と社会実装に取り組む。東京大学大学院情報理工学系研究科特任助教、同大学先端科学技術研究センター講師、特任准教授、一橋大学ソーシャル・データサイエンス教育研究推進センター教授を経て、2023年より一橋大学大学院ソーシャル・データサイエンス研究科教授。東京大学先端科学技術研究センター特任教授を兼務(2022.4-)。Laval Virtual Trophy、IFIP Accessibility Awardなど受賞。著書に『超高齢社会2.0 クラウド時代の働き方革命』(平凡社新書)。

4 日時:2025年4月19日(土)16時30分~18時

報告(16:30-17:45)の後、質疑応答を予定しています。

5 開催会場:東洋学園大学本郷キャンパス 1号館1304教室

住所:東京都文京区本郷1-26-3(HP参照)

アクセス:東京メトロ丸ノ内線「本郷三丁目」駅(改札を出て左)徒歩4分、都営大江戸線「本郷三丁目」駅(改札を出て右)徒歩6分、JR総武線「水道橋」駅(東口)から徒歩7分、都営三田線「水道橋」駅(A6出口)から徒歩3分、東京メトロ丸ノ内線/南北線「後楽園」駅(1~3番出口)から徒歩7分。

会費:無料

6 懇親会:18時15分~(2時間程度)

懇親会場:なるたか

住所:文京区本郷1-15-2三澤ビル1F(HP参照)、TEL.03-5844-6775

 アクセス:JR総武線水道橋駅徒歩3分、都営三田線水道橋駅A6番出口徒歩1分

会費:5千円

6 主催者

金融プラス・フォーラム(会長:唐木宏一)

7 連絡先

野澤:ZZZt-nozawakag「アットマーク」jcom.zaq.ne.jpZZZ、TEL.090-3318-4815

宮下:ZZZk-miyashita「アットマーク」yu-cho-f.jpZZZ

(迷惑メール防止:「アットマーク」を「@」へ、ZZZを削除してください。)

8 過去の研究報告

<2017年>

第1回(12月):井上智洋(駒澤大学准教授)『人工知能は未来の経済をどう変えるか?』

<2018年>

第2回(3月):瀧俊雄(マネーフォワード取締役Fintech研究所長)『フィンテックのインパクト』、第3回(7月):宮村健一郎(東洋大学経営学研究科研究科長)『 アメリカ銀行業のP2Pレンディング戦略』、第4回(9月):駒井隼人(株式会社Delta Valuesチーフデータサイエンティスト)『ビッグデータから見た個人投資家行動』、第5回(12月):中村淳一郎 (株式会社IICパートナーズ代表取締役社長)『企業年金・退職金のエッセンスと企業経営に活かす視点』

<2019年>

第6回(3月):畔上秀人(東洋学園大学現代経営学部教授)『リスク評価の世代間継承-生命保険について-』、江口政宏(商工総合研究所主任研究員)『ブロックチェーンは次世代プラットフォームとなりうるか』、冨田洋介(共栄大学国際経営学部専任講師)『金融市場と経済格差に影響を及ぼす法的環境の実効性について-制定法と慣習法の相違を中心に-』、第7回(7月):牧野知弘(オラガ総研株式会社 代表取締役 / 不動産事業プロデューサー)『不動産価値革命と住宅―人生100年時代を迎えて―』、第8回(9月):武田泰弘(TRENDE株式会社テクノロジーディレクター)『電力流通とP2P電力システム』、第9回(12月)濱口桂一郎(労働政策研究・研修機構研究所長)『人生100年時代の雇用と労働』

<2020年>

第10回(12月):駒井隼人(一橋大学経営管理研究科博士後期課程、株式会社Delta Values)・小谷野良太(株式会社Delta Values)『個人投資家は何を基準に投資の意思決定をしているか? ―株価からの一考察』

<2021年>

第11回(3月):野崎浩成(東洋大学国際学部教授)『地銀と持続可能性』、第12回(7月):森健(株式会社野村総合研究所未来創発センター・グローバル産業・経営研究室長)『コロナ禍が加速させるデジタル資本主義』、第13回(12月):清水洋(早稲田大学商学学術院教授)『流動性とイノベーション:国、企業、個人はどのように立ち向かうのか』

<2022年>

第14回(3月):鈴木隆雄(桜美林大学大学院教授、国立長寿医療研究センター理事長特任補佐)『日本の高齢者は若返っているか:科学的根拠に基づく高齢者の健康増進に関する戦略』、第15回(10月):近藤一仁(岡山商科大学客員教授)『IR(インベスター・リレーションズ)の過去・現在・未来について~変わらない IR の本質を説き、真の企業価値の向上と評価改善を提言する~』、第16回(12月):猪俣哲史(ジェトロ・アジア経済研究所 海外研究員)『グローバル・バリューチェーンから見た米中デカップリング』

<2023年>

第17回(3月):掛下達郎(福岡大学商学部教授/公益財団法人日本証券経済研究所客員研究員)『GAFAの銀行化・金融機関化:金融化との関連で』、第18回(10月):冨田洋介(東洋学園大学現代経営学部准教授)『潜在的な経済的不平等と政府の再分配に影響を及ぼす法の起源』、第19回(12月):遠藤正之(静岡大学情報学部教授)『金融DXの動向、銀行は生き残れるのか』

<2024年>

第20回(3月):勝池和夫(タタ・アセットマネジメント アドバイザー)『インド経済の可能性とあなたの金融資産の未来』、第21回(10月):中里透(上智大学経済学部准教授)『東京は「ブラックホール」なのか:少子化と東京一極集中について考える』

<2025年>

第22回宮沢和正(ソラミツ株式会社代表取締役社長)「ブロックチェーンによる社会課題解決への取り組み」

(注)第10回(2020年12月)から第17回(2023年3月)はオンライン開催、第20回(2024年3月)以降はリアル、オンラインの同時開催である。

Finance Plus Forum

金融プラス・フォーラムは金融経済に関する研究を中心に、実務家を交えた学者・研究者の交流の場を提供すると共に関連領域の学際的研究の促進を目的とした研究会である。主要な研究対象分野は、新金融(事業創造、フィンテック等)、ファイナンスと財務、ガバナンス(マネジメント)、資産運用関係などである。