第6回会員研究発表会ご案内
2025年6月25日
第6回会員研究発表会ご案内
金融プラス・フォーラム
事務局
金融プラス・フォーラム「第6回会員研究発表会ご案内」です。今回は税所真也氏(東京大学大学院人文社会系研究科助教)と宮下恵子氏(ゆうちょ財団研究部主任研究員、東洋大学経済学部非常勤講師)の2名による研究発表となります。税所助教は家族社会学、福祉社会学、社会政策を専門としており、2020年には大著『成年後見の社会学』(勁草書房)を刊行しています。今回の研究発表では「家族の多様化と成年後見」と題しての発表となります。「高齢者の財産管理や契約行為を家族に依存する現行制度には限界があ」るという観点からワーカーズ・コレクティブ(雇用関係ではなく、同じ思いを持った仲間が集まって出資、経営、労働を共同で行う新しい働き方)による任意後見制度を用いた取り組みに着目し、「今後の財産管理・生活に関する事務的行為の社会化のあり方について」報告していただきます。宮下恵子主任研究員は「職域における継続投資教育とファイナンシャル・ウェルビーイング―資産形成を阻む要因と無関心層を行動変容に繋げるために―」と題しての発表ですが、公益財団法人年金シニアプラン総合研究機構が実施した「職域における資産形成・金融経済教育等に関する調査(2024年8月調査)」結果に基づき、職域における継続投資教育の現状とDC加入者の意識・投資行動に焦点を当てています。両発表者の報告概要については下記をご覧ください。今回もリアルとオンライン(zoom)の同時開催となります。会員研究発表会終了後の18時15分より近場で懇親会を予定しています。是非ご参加ください。
記
1 日時:2025年7月12日(土)16時30分~18時
2 開催会場:ゆうちょ財団会議室及びオンライン(zoom)、 会費:無料
住所:新宿区市谷本村町2-1クイーポビル9F(HPご参照)
アクセス:JR中央線総武線・都営新宿線「市ヶ谷」駅 徒歩5分、東京メトロ南北線・有楽町線「市ヶ谷」駅 徒歩3分
3 懇親会:18時15分~20時15分
懇親会場:未定(近場予定)、会費は5千円程度を予定。
4 テーマと講師及び報告概要
(1) 税所真也(東京大学大学院人文社会系研究科助教)
① テーマ:家族の多様化と成年後見
② 報告概要
高齢者の財産管理や契約行為を家族に依存する現行制度には限界があり、自己決定の侵害や後見人による権利侵害のリスクも指摘されている。本報告では、ワーカーズコレクティブによる任意後見制度を用いた取り組みに着目し、家族であることを理由とした役割期待を見直し、今後の財産管理・生活に関する事務的行為の社会化のあり方について検討する。なお、報告者の所属する東大文学部社会学研究室のHPには「判断能力が不十分とされた人びとに求められる成年後見という法律上の概念を、社会学的に再構成する研究に取り組んできた。とくに、本人の居場所やケアの処遇決定といった、法学的な議論だけでは掬いきれない身上監護・生活支援の側面を、インタビュー調査や計量分析、質的統合法などを通じて社会学の立場から描き出すことに専心してきた。以上による社会学理論への貢献として、ケアの社会化論拡張がある。従来のケアの社会化論が、おもに年金制度や介護保険制度を通した扶養と介護の問題を扱ってきたのに対し、ケアの意思決定や管理・調整などマネジメント責任の領域まで議論を発展させている」とある。
③ 略歴
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了、博士(社会学)。東京大学高齢社会総合研究機構特任助教を経て、東京大学大学院人文社会系研究科助教。専門分野は、家族社会学、家族関係学、ジェンダー、ワーカーズ・コレクティブ研究等。主要著書に『成年後見の社会学』(勁草書房、2020)、日本家政学会編(2018)『家族を読み解く12章』(丸善出版、税所真也担当:分担執筆, 範囲:生活保障と家族ーー要介護高齢者と成年後見制度)等があるが、専門分野に関連した著書・論文等多数。
(2) 宮下恵子(ゆうちょ財団研究部主任研究員、東洋大学経済学部非常勤講師)
① テーマ: 「職域における継続投資教育とファイナンシャル・ウェルビーイング―資 産形成を阻む要因と無関心層を行動変容に繋げるために―」
② 報告概要
公益財団法人年金シニアプラン総合研究機構が実施した「職域における資産形成・金融経済教育等に関する調査(2024年8月調査)」結果に基づき、職域における継続投資教育の現状とDC加入者の意識・投資行動に焦点を当てた。全サンプルを「企業型DCのみ」、「iDeCoのみ」、「両方に加入」の3カテゴリに分類し、特徴の洗い出しを試みたところ「企業型DCのみ」は金銭的に余裕があるものの多忙で無関心の傾向がみられ、こうした無関心層に対してどのようにアプローチするかがFWB(ファイナンシャル・ウェルビーイング)向上のポイントとなる。具体的には、パーソナライズ・資産の見える化・個別アドバイスをキーワードに行動変容に繋げる工夫が肝要である。
③ 略歴
1994年北海道大学経済学部卒業、(財)郵貯資金研究協会入社。2006年(財)郵便貯金振興会と統合し2007年ゆうちょ財団と名称変更。内外リテール金融の調査及びアンケート調査に従事。主要論文は、共著「ダブルボトムライン金融機関と機関分散―存在意義と安定性―」『生活経済学研究』第37巻(2013.3)。今回報告するフルペーパーはWEB Journal『年金研究』No.26(2025.6)に掲載。他に単著「職域における継続投資教育の課題―企業規模や雇用形態による格差の観点からー」『季刊 個人金融』2024秋。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)、生活経済学会会員、東洋大学経済学部非常勤講師。
5 開催日の予定
(1) 会員総会:15時45分~16時30分
(2) 会員研究発表会:16時30分~18時
(3) 会員研究発表会終了後の18時15分より懇親会(会費:5千円程度予定)
6 主催者:金融プラス・フォーラム(会長:唐木宏一)
7 連絡先
野澤:ZZZt-nozawakag「アットマーク」jcom.zaq.ne.jpZZZ、TEL.090-3318-4815
宮下:ZZZk-miyashita「アットマーク」yu-cho-f.jpZZZ
(迷惑メール防止のためZを外し、「アットマーク」を@に変更してください)
8 過去の会員研究発表会
<2020年>
第1回(11月):宮下恵子(ゆうちょ財団ゆうちょ資産研究センター研究員)「標準世帯モデル形成の歴史的背景と就労構造の変化」、岩坂健志(新潟食料農業大学教授)「金融機能を補完する社会のあり方」
<2021年>
第2回(10月):江口政宏(商工総合研究所主任研究員)「現役世代のライフコース戦略を探る~パネルデータを用いた分析」、尾川宏豪(全国地域生活支援機構理事)「成年後見制度における後見機能の再構築―財産後見人となる金融機関」
<2022年>
第3回(7月):松澤孝紀(開志専門職大学事業創造学部専任講師)「銀行の業務範囲と手数料ビジネス」、藤井喜一郎(川口短期大学、埼玉学園大学、明治大学兼任講師)「経済経営学視点から見る日本の中小企業―『中小企業論』刊行に当たって」
<2023年>
第4回(7月):宮下恵子(ゆうちょ財団ゆうちょ資産研究センター/貯蓄経済研究部主任研究員、東洋大学経済学部非常勤講師)「金融教育の現状と課題」、矢部信(IICパートナーズ取締役、年金シニアプラン総合研究機構特任研究員)「「資産所得倍増プラン」において期待される企業(職域)の役割」
第5回(7月):奥武則(法政大学名誉教授)「新聞――過去・現在・未来」、江口政宏(商工総合研究所調査研究室長)「中小企業の外国人雇用~現状と課題、活用へのインプリケーション」
(注)第1回(2020年11月)から第4回(2023年7月)までオンライン開催である(第4回の懇親会は会員研究発表会とは別にリアル開催)。
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